研修を依頼されたら【研修構築のコツ】

社内でプレゼンテーションを依頼されたことはありませんか?

 

・ 学生向けに、自社の紹介をしてほしい
・ 人事異動してきた方に、業務内容を教えてほしい
・ 商品導入をしてくれたお客様先で、商品研修を行ってほしい

 

プレゼンテーションといっても、様々な場面がありますよね。

慣れていないと、何から手をつけたらいいのか悩んでしまうのではないでしょうか?


これらプレゼンの中で、「教えること」に重点をおいたものが研修です。

今回は研修を依頼されたとき、何から考えれば失敗しないのかをまとめていきます。

「来週、新人向けに研修をしてくれないか?」

と、上司に言われたときの対処法として、活用してみてください。

 

研修構築には3つの視点

3つの視点

研修の依頼者が、あなたにお願いしたということは

✅ あなたには、今回の研修テーマに関する知識や経験が豊富にあり
✅ あなたが、受講者に役立つ情報を持っている

と想定しているからです。この想定しているというところがポイントです。
想定している=この人だったらこんなことを伝えてくれるはず

という期待です。

 

伝えてほしいことを誤解してしまうと、期待外れの理論を展開することになりますよね。

そこで研修構築をする前に、3つの視点を整理しましょう。

視点1.自分が伝えたいことは何か
視点2.受講者が学びたいことは何か
視点3.研修の依頼者が伝えてほしいことは何か

 

伝えるべきエピソードを洗い出す

あなたが高校2年生まで偏差値35で、高校3年生になって猛勉強し、東大に合格した経験を持っているとします。

大学1
これから高校
2年生に向けて、「大学受験で勝つには」というテーマで研修を依頼されたら、どんな講義をするとよいでしょうか?

先ほどお伝えした3つの視点で考えると、伝えるべきエピソードが見えてきます。

 

① 自分が伝えたいこと = 高校3年になって、一念発起したきっかけ・・・視点1
② 学生が知りたいこと = 1年で東大に合格するための方法論・・・視点2
③ 依頼者が伝えてほしいこと = 最後まで勝負することの大切さ・・・視点3

どれが欠けても、誰かの不満がたまります。

ですから、すべての視点を研修の中で、バランスよく融合させなければなりません。

事前に研修依頼者に、3つの視点にズレがないかを確認しておきましょう。

 

ここで私が最も大事だと思うのは①です。

②③も講義に加えないと不満が出ますが、②③を入れたからと言って期待を大きく超えることはありません。
①で、自分が伝えたいことを話すときに最も魅力ある話ができるはずです。
そして、この内容を「あなた方の知りたかったエピソードはこれです」と、どれだけ納得をさせられるかが、カギだと思います。

 

伝えるべきことを正しく並べる

文章に起承転結があるように、研修にも適切な並べ方があります。
伝える順番を意識するだけで、相手を動機づける力が変わってきます。

KSAで分解

伝えるべき内容をKSAでパート分けしていきます。

KSAとは、Knowledge(知識)、Skill(スキル)Attitude(姿勢)の頭文字です。

先ほどの例で考えてみましょう。

高校2年の終わりに父を亡くし、母に心配をかけないように勉強に打ち込んだ。

1年間、決死の想いで取り組めば、夢は必ず実現する。

このエピソードは勉強に向き合うAttitude(姿勢)に訴えかけるものです。

一方、どのような本を読んで、どのような時間帯に勉強すると効果的だったか。

このような情報は、知識やスキルに関するものです。

 

エピソードをAKSAで並べる

研修で最も効果的な順番はAKSAの順番です。先ほどのエピソードを並べ替えてみましょう。

A:偏差値35だった私が奮起したのには理由があった。それは父の死だった。
K:手に取ったのは〇〇という本。ここで学んだ××という知識は今も役立っている。
S:1年間で効率よく勉強するには時間の使い方が大事。そのために行ったのは△△だった。
A:受験1カ月前の絶望状態の私に、母が言った言葉「あきらめた瞬間、チャンスはなくなる」

最初のAでは、受講者に「誰でもできる。必要なのはきっかけ」ということを伝えて、動機付けています。
最後の
Aでは、再度、家族との会話を引き合いにして、あきらめない姿勢を伝えています。

途中は知識やスキルに関することを伝えて受講者の期待に沿うものにしています。

 

ここでのポイントはAで始まり、Aで終わることです。

研修を聞いて、受講者の行動が変わらなければ意味がありません。

その行動を決めるのは感情ですから、最後に感情で動機づけることが大事になってきます。

 

まとめ

今回は研修構築の方法について考えてみました。

研修を依頼されると、「何を教えたらいいんだ?」と、知識提供にばかり目がいってしまいがちです。

まずは3つの視点で伝えるべきことを整理し、それをKSAに分解すること。

分解したエピソードを再度AKSAで再構築しなおすことで伝わりやすい構成に変わっていきます。

機会があれば試してみてください。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP